さて、ポメラはデジタルメモということで、
文章を打つことしかできないのですが。
それでも、人間のクリエイティブな思考はとても素晴らしくて、このポメラを使って「遊んでしまおう」という、ベクトルが存在します。
ポメラで動かすアプリケーション。創作活動を通して生じるコミュニケーション。
僕はそれを「ポメラケーション」と名付けます。
Mixiのポメラコミュニティで知った「Astronaut Blog -郁雄吉武の創作小説サイト-」
さんの活動は、とっても刺激に充ち満ちているんですよ。
ポメラには、「F5」で「★付箋文★」を検索する「付箋文ジャンプ機能」と、
「F3」で特定の単語を検索する「次を検索」機能があるのですが、これをゲームとして応用するという、画期的なアイデア。
結果的に、テキスト、アスキーアートだけのモノクロの世界が展開され、
どこか懐かしくてフルカラーで3Dなゲームの世界に慣れきった目と心に斬新な気持ちを与えてくれるのです。
ではでは、通称「よっしぃ」さんが、
創作されたPomeraで遊ぶゲーム達の数々をさらりと紹介。
彼のサイトで、ゲーム等はダウンロード出来ますので、ぜひぜひ実際にポメラで愉しんでみて下さい。
■第一弾:
『ポメラ★付箋文アドベンチャー』
ポメラの付箋文機能を使った、テキストアドベンチャーの第一弾!
いわく「記憶をうしなった主人公が、魑魅魍魎うずまく森を探索するという、よくあるフォーマットの話です」とのこと。
ですが、Mixiコミュニティでこれの存在を知ったとき、
長くしまってあったジャンパーのポケットから1万円札を見つけたような衝撃を受けました。一言でいえば「ポメラでゲームだとぉぉぉぉ!」
な感じです。
内容自体は、かつてのペーパーブックアドベンチャー(中学校の頃すごくはやった)を彷彿とさせます。
これ、なんか、電卓にゲームがついたやつが出た時みたいな、なにか、すごい画期的な感じがします。
内容は、実際に確かめてみて下さい!
■第二弾:『はじまりのボタン for
Pomera DM10』
第一弾で度肝を抜いたよっしぃさんが放った本命弾です。
しかも、これはタダの作品ではありません。「電気仕掛けのブンガク賞」という、小説賞で「作品賞」
「ギミック賞」を受賞した作品です。いわばお墨付きです。
ギミック自体は第一弾と全く変わりありませんが、なんと言っても、内容が秀逸なのです。
童話的で寓話的でSF的。このポメラという、デジタルデバイスだからこそ味わえる、なんというか、電脳感。
F5やF3を押すことで、漫然と読むだけでない、参加してるぞ感と没入感。
吉武さんの文章は、非常に真面目でカッチリと書かれておりまして、非常に安心と安定があります。
僕の文章なんかは、書きっぱなしでゆるくて隙が多いといわれるので羨ましい限りですよ。
とにかく、この「はじまりのボタン」は強くおすすめです。
■第三弾:
『ポメラ●○リバーシ』
第一弾と第二弾で、「ポメラでテキストアドベンチャー」という、
やったもん勝ちのアイデアをサクレツさせた吉武さんが、次にはなったのが、「ポメラ●○リバーシ」です。
えええぇぇぇぇぇぇ!!
ぽ、ポメラでオセロだとっ!!!
ポメラはただのデジタルメモという概念を覆す会心の一撃!
白と黒と罫線の織りなす魅惑の周波数80MhzのAIとの白熱の知能戦。
そして、その先に見えるのは、「吉武さんの計算された知性と感性のニヤリズム」
!!
この作品にはあえて、これ以上の紹介は避けましょう。ぜひ、その目で確かめてみてください。
Pomeraでゲームというベクトルが本格的に胎動を始めたのだ。
■第四弾:
『ポメラdeアミダスタイル』
第三弾のリバーシに感銘を受けた、酒井童人(=僕)が「ポメラでアミダとかどうっすか?」とかいってみたんです。
すると、すごいよねぇ。吉武さん本当につくちゃったんです!
なんという、スピード感溢れる対応でしょうか!
第四弾:
「ポメラdeアミダスタイル」
ポメラでアミダをしちゃおう!
っていうアイデアなのですが、ここまでは僕も思いついたんです。
しかーし、吉武さんは、
ユーザーのプレイ感とユーザービリティーを考えて、「検索」機能を大胆に利用。
指示に従って「F3(次を検索)」
を押すことで、自分の選んだ「ア」「ミ」「ダ」「ス」のうちの一文字が、ドンドン検索されていき、最後は衝撃の結果(ちょいオーバー)
にたどり着くのです。
第一弾・第二弾で基礎を作り、
第三弾でBASIC世代を彷彿とさせるインターフェーイスをポメラ上に蘇らせ、そして、第四弾で本気でゲームに取り組んだ姿。
これは、これは、進化を止めてはいけません!
人間は考える葦なのですから!!
■第五弾:『ポメラdeマインドサーチ』
第四弾で感銘を受けた、酒井童人が「今度はポメラでマジックみたいなことを……」と無茶ぶりをしたところ、吉武さんが、
にゃんとそれを実現させてしまったのが、この「ポメラdeマインドサーチ」です。
ぽ、
ポメラが、俺様の思考を読み取るだと!
■吉武さんのブログより引用
ポメラでゲーム?第5弾は、にわかには信じがたいプログラムです。
その名も『ポメラdeマインドサーチ』。なんとポメラのかくし機能を利用して、精神探査を実施するというもの。 みょうに値段が高いと思ったら、
こんな機能をかくしてたんですね。
『ポメラdeマインドサーチ』は、「1」〜「7」
までの数字をつよく思い浮かべながら、指示どおりに「F3」「F5」キーを押すと、
そのさいの電気抵抗値をもとにポメラが精神探査を実施し、読みとった数字を画面に表示させます。
………すごいです。
ポメラは単純なデバイスのようで、キーボードを押したときの圧力を255段階で強弱の判断をしているのです(いわゆる感圧式)。
人間の無意識は正直ですので、このうそをつけない無意識は、指先への圧力という形で現れてきます。
「ポメラdeマインドサーチ」は、これを利用した、もはや、
白黒のWII状態です。
その驚愕のギミックはその目で実際に確かめてみましょう!!
(真に受けるなよ)
………と、紹介が進むに従い、だんだん語気が煽りっぽくなってしました。
僕もこういうテキストアドベンチャーの真似事みたいなことをやってみたのですが、
どうしてもつまらなくなります。
吉武さんが制作される「ポメラケーション」はかつてのマイコンブーム、
プログラム全盛の時代の懐かしさとドキドキを、現代的な絶妙なセンスと、そつと隙のない仕事っぷりで、クイックに仕上げる逸品ですな。
それぞれのプレイタイムは、ごくごく短いモノですが、僕なんかはこれをプレイしていると、
次はどんなのがいいだろうと、白黒2値が想起する想像の世界にずっぽりと没してしまうのです。
さて、第6弾はどうなりますことやら……… すごく楽しみにしています。
→ 吉武さんのブログ:Astronaut Blog